新人看護師の失敗 意識障害のある患者さんへの対応

私が新人の頃の同期の看護師の話です。
ある日のこと病棟勤務で患者さんの検温のため病室の巡回をしていました。すると他の病室から「看護師さ~ん、誰かきて~。」と必死で助けを求める同期の看護師の叫び声が聞こえました。まず、看護師が「看護師さ~ん。」って叫ぶなんて変な話です。普通は急変時の場合はナースコールを押して助けを呼ぶので、おかしいとは思いましたが、よほどのことだと思い私は急いで病室へ駆けつけました。

すると、同期の看護師が患者さんに両手をかまれた状態で泣きそうな顔で助けを求めていました。なぜ、両手を噛まれているのか、なんとも不思議な状況だったのですが、なんとか患者さんの口をこじ開けて同期の手を患者さんの口から外すことができました。半泣き状態の同期に事情を聴くと、患者さんの痰の吸引をしていたところ、右手で吸引チューブを持って、左手は患者さんの口を開けるために指を口腔内に入れたところ左手指を噛まれたようでした。患者さんは脳障害があって意思疎通の難しい方だったため、噛まないように声をかけても離してもらえず、やむなく右手で外そうと右指を口腔内にいれたところ、不幸なことに右手も噛まれてしまったとのことでした。それで、両手をしっかり患者さんに噛まれた状態になってしまい大声で看護師に助けを求める状況となったようでした。

同期の看護師の両手指は患者さんの歯型がしっかりついており痛々しいものでした。あとから、先輩看護師にがっつりと注意を受けたのですが、下手したら指を食いちぎられた危険性もあったようで、話を聞いた後でぞっとしました。こうして、意識障害のある患者さんの口腔内に安易に手を入れてはいけないということを学ぶことになりました。