「看護師の世界」カテゴリーアーカイブ

新人看護師の失敗 意識障害のある患者さんへの対応

私が新人の頃の同期の看護師の話です。
ある日のこと病棟勤務で患者さんの検温のため病室の巡回をしていました。すると他の病室から「看護師さ~ん、誰かきて~。」と必死で助けを求める同期の看護師の叫び声が聞こえました。まず、看護師が「看護師さ~ん。」って叫ぶなんて変な話です。普通は急変時の場合はナースコールを押して助けを呼ぶので、おかしいとは思いましたが、よほどのことだと思い私は急いで病室へ駆けつけました。

すると、同期の看護師が患者さんに両手をかまれた状態で泣きそうな顔で助けを求めていました。なぜ、両手を噛まれているのか、なんとも不思議な状況だったのですが、なんとか患者さんの口をこじ開けて同期の手を患者さんの口から外すことができました。半泣き状態の同期に事情を聴くと、患者さんの痰の吸引をしていたところ、右手で吸引チューブを持って、左手は患者さんの口を開けるために指を口腔内に入れたところ左手指を噛まれたようでした。患者さんは脳障害があって意思疎通の難しい方だったため、噛まないように声をかけても離してもらえず、やむなく右手で外そうと右指を口腔内にいれたところ、不幸なことに右手も噛まれてしまったとのことでした。それで、両手をしっかり患者さんに噛まれた状態になってしまい大声で看護師に助けを求める状況となったようでした。

同期の看護師の両手指は患者さんの歯型がしっかりついており痛々しいものでした。あとから、先輩看護師にがっつりと注意を受けたのですが、下手したら指を食いちぎられた危険性もあったようで、話を聞いた後でぞっとしました。こうして、意識障害のある患者さんの口腔内に安易に手を入れてはいけないということを学ぶことになりました。

ペアを組んでいる看護師が業務中行方不明になった件

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私は総合病院に勤めていた時の忘れられない夜勤の話をします。

看護師は、チームプレーが求められますが、その時の夜勤は、二人態勢で、助け合い精神がないと仕事が成立しません。でも、同僚に個人プレーで、気分がのらないと、どこかへ行ってしまい、助けを求めようともどこにもいない(病棟にはいるのだけど、ナースステーションにもどってこない)人がいて、夜勤を一緒に担当したナースから苦情があがっていた人がいました。

以前に、夜勤を一緒にした人からのアドバイスで、気分を害するようなことさえなければ、なんとか乗り切れるといわれていたので、その人の趣味などの話や、デザートをいろいろ用意して、機嫌をとりながら仕事をしました。何より、その人がいなくなっては、仕事にならないばかりか、患者に迷惑がかかります。でも、その人は尿チェックの時間は決まっているのに、1時間も早くチェックをし始めたのです。夜中の見回りのときについでに、、、とのことで。
正確な尿チェックができないとは思いましたが、私の担当は私の担当で、、とのことで、何も言えず。

問題は朝の採血でした。私の病棟は、40人近くの採血があるのです。その人の助けがなければ成立しません。朝は、インシュリンから配薬、食事の用意などものすごく忙しいので、その仕事の前に採血を済ませるのが決まりでしたが、その人は自分のだけを取り出し、私は私の時間でするので。。。と言い出したので朝の仕事は?というと、そのまま、ふら~っと、どこかへ、、。

一人でやるしかない、と心を決め、採血を済ませたところで、患者が一人いなくなっていたことに気づきました。病棟以外に探しに行こうにも、ペアの人はどのにもいない。仕方ないので、とりあえず1階の救急受付に行き、事情をはなし、エレベーターにのって病棟に戻っていたら、ナースコールが大音量で聞こえるのです。どこの病棟かと思った時に扉があき、、その同僚は、私がいないことに腹をたて、ナースコールだけ大音量にしてまたいなくなっていたのです。

患者は朝早くから、大音量のナースコールで起こされ、何人もの患者が、驚いてナースステーションに来てました。患者の苦情に謝罪し、朝の仕事に追われ、、へとへとになったときに、その同僚は休憩室から出てきました。本当に疲れた夜勤でしたが、いなくなった患者は無事見つかり何事もなくよかったです。

看護師の世界が特殊なのは圧倒的女性中心社会だから

男性看護師の数が増えてきたとは言え、看護師の世界はまだまだ圧倒的に女性中心社会です。最新のデータでは、看護師の96%を女性が占めているとなっています。

女性だけの職場では、人間関係が円滑に行かないケースがよく見られます。

もちろん人間関係が良好な職場もありますが、

人間関係が陰湿になりやすい(いじわる・無視・陰口が起こりやすい)

空気の読み合いで意見が言いづらい
“仲良しごっこ”が優先される
派閥ができやすい
など、さっぱりした人間関係を構築しづらい環境になることが多いようです。

こういった雰囲気に馴染めない人には、つらい状況になることもあるでしょう。

男性職員がいることで「緩衝材」の役割を果たして、環境が変わることもあるといいますから、やはり女性中心の看護師の世界は特殊なのだと言えそうですね。

 

悩み疲れてしまう前に

こういった環境に、自分を合わせていくことに苦労する人もいるかと思います。

「それも含めて仕事」と言ってしまえばそれまでですが、人間関係に悩んでいる人にとっては、そんなに簡単な話ではないはずです。

もちろん働きやすい環境を自ら作っていくことも大切です。

ただ、その努力をしていて、日常業務もきちんとこなしているのに、それでも周りとの人間環境が良好にならない場合・・・。

思い切って環境を変えてみることも、考えるべきなのかもしれません。

陰湿ないじめにあったり、気が強い人ににらまれたりして、良好な関係など望めないこともあります。自分がどれだけ努力しても変えられないものがあると、認識するのも大切なことです。

人間関係の悩みから、うつ病にまで発展する看護師は少なくありません。そんなことになるまで悩み疲れてしまう前に、あきらめることも大事です。

“あきらめる”というと、「物事を途中で投げ出す」というマイナスのイメージを持ってしまいますが、本来は“明らめる”と書きます。

物ごとの道理、真理を明らかにすること。そこから、ありのままの現実を受け入れて、次へとつながる道筋を探す、そんな意味を持っています。

「どうにもならないこと」を何とかしようと、もがき苦しむのはよくありません。あなた自身も、まわりも、誰も幸せになれないからです。